手提げ袋の素材の種類
(不織布、ビニール、紙)

安価に手提げ袋を作るなら、紙以外にも素材はあります。例えば、不織布やビニール(ポリエチレン等)です。ビニール袋なんかは、一番安くてコンパクトですよね。しかし、ショップバッグや資料配布などに使われる「紙袋」が紙でできているのには、もっともな理由があるのです。今さらという気もしますが、紙の特徴についてお話しします。

不織布、ビニール

不織布とは、織りのない布のことです。繊維を絡み合わせることで布状にしています。特徴は、断面からほつれないこと、伸びや強度に方向性がないこと。安価に製造でき加工が容易なため、最近は使い捨ての手提げ袋に使われています。持った感触が柔らかく高級感があるので、不織布のショップバッグは服飾業界に好まれます。ビニール袋は、ポリ塩化ビニルの袋のこと。日本では昔から、レジ袋のことをビニール袋と呼んでいますが、実はあれはポリエチレン製なので、ビニールではありません。ビニールは、人形、テープ、テント、壁紙など、柔軟性を必要とする物に使われます。

紙はハリと強度があるため、折りを入れて組み立てると自立します。厚いほど強度が高くなるので、用途に合わせて厚みも選ぶことができます。そのため、手提げ袋には最もよく使われています。紙の特徴として、印刷適正が高いこと、リサイクル可能なこと、焼却処理しやすいことも挙げられます。使い捨てされる道具である手提げ袋には、とても良い素材ですね。 手提げ袋用のもので、最もポピュラーなのが、強度の高いクラフト紙です。次に、印刷適正の高いコート紙。強度が高く印刷もしやすい、クラフトとコートの中間的な特徴を持ったリュウオーコートもよく使われています。

紙は、手提げ袋に最も適している素材

大量に作られ、大量に捨てられる物ですから、後処理のことまで考えると、リサイクルできる紙が最も環境負荷が少ない素材かもしれません。 ただ、紙の表面にPP加工を施すと、リサイクルは非常に困難になります。PPを剥がす必要があるので、自治体によってはPP加工されたものは可燃ゴミに出すよう指定しています。PP加工された雑誌も新聞紙も、一緒くたに紐で縛って古紙回収に出した経験のある方は多いのではないでしょうか。あの雑誌の表紙は、手作業で取り除いているそうです。 環境負荷を考えるなら、手提げ袋はPPなしで提げ紐まで100%紙であることが理想かもしれませんね。